1991年の湾岸戦争以後に課せられた経済制裁、2003年3月に開始されたイラク攻撃、
そしてその後の占領。イラクの人々は、このような過酷な状況における生活を連続し
て強いられてきました。現在では、治療を受けたくても、充分な設備や医薬品がな
く、必要な治療を受けるために、15時間以上もの時間をかけて国境を超え、隣国のヨ
ルダンに渡ってくるイラク人もたくさんいます。新年に来日するイラク人医師モハ
メッドさんは、このようなイラク人の患者の医療にあたってきました。今回の平和研
究フォーラムでは、医療の視点から見た経済制裁・戦争・占領下におけるイラクの
人々の生活について、語っていただきます。
講師:モハメッド・ヌーリ・シャキールさん(医師)
1976年にバグダードに生まれる。経済制裁下のイラクで、高校・大学教育を受け、医
師となる。イラク攻撃が始まる前は、バグダードの病院で臨床をしながら、イラクの
医療NGO「Mercy Hands」や新赤月社などの活動に、ボランティア医師として従事。
2002年12月から、ヨルダンのアンマンで医師として働きながら、戦火や過酷な占領を
逃れてヨルダンに渡ってくるイラク人の患者の治療にあたっている。
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